HSPさんの必読書『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』の要約・まとめ【HSPが解説】

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HSPさんの必読書

『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』の要約・まとめをご紹介します。

筆者はデンマークで心理療法士をされているイルセ・サン。

筆者自身もHSPであり、多くのHSPをカウンセリングしてHSPの診療にあたっています。

 

この本には筆者の体験及びカウンセリングでの対話を通して得たHSPの特徴や知識に基づいて書かれています。

HSPやその他繊細な心の持ち主たちが自分の長所や可能性により注目できるための後押しになる本です。

 

ふゆ
ふゆ

この記事を書いた内向型HSPのふゆです。

本屋さんにはHSP関連の書籍が数多く並ぶまでに認知されるようになりました。

その中でもこの本は私が最もおすすめできるHSP向けの書籍です。

現在、Kindle Unlimitedの読み放題で読むことができます。

HSPチェックリストも付いているので、ぜひご自身の敏感レベルを確認してから読んでみてください。

◎筆者のメッセージ

・繊細であることや敏感すぎる事は、必ずしも制約になるだけではない。新しい可能性をももたらします。
・HSPであることが、不利なだけじゃなく、有利な事もたくさんあります。
・HSPやその他繊細な心の持ち主が自分の長所や可能性により注目できる後押しになることを願っています。

 

◎要約記事について

・この本は4章で構成されております。
・各章ごとの特に注目すべき点と私自身が共感出来たポイントをメインにまとめています。

第1章 鈍感な世界に生きる「敏感な人」とは

5人に1人がHSP(とっても敏感な人)

HSP(Highly Sensitive Person)はとっても敏感な人です。

アメリカの心理学者でセラピストのエレイン・アーロン博士によって1996年に提唱されました。

これはとっても敏感なタイプ(HSP)とタフなタイプの2つに分けただけですが、

男性・女性の性別の違いよりも大きな隔たりがあるように思えるかもしれません。

 

病気ではなく、生まれ持った気質です。

乳幼児から激しい反応を示します。

アメリカの心理学者ジェームス・ケーガン博士は生後4か月の赤ん坊500人を対象に実験を行いました。

その結果、5人に1人を赤ん坊が他の赤ん坊とは違い、警戒心が強く、激しく反応しました。

その子供に対し、4歳、7歳、11歳になったときにも再び招集しましたが、乳幼児に激しい反応を示していた子供は、相変わらず他の子どもたちよりも新しい刺激に強い反応を示しました。

強い反応とは「落ち着きがない」のではありません。

他の同世代の子たちよりも人生についてより深く考え、静かで内省的な人間に成長したのです。

HSPの能力

HSPの能力として7つポイントを上げています。

1.一度に多くの情報を吸収できる
2.音やにおいなどの微細な違いも察知できる
3.ゆっくり、深く多角的に考えられる
4.とても慎重で、危機管理能力が高い
5.共感力が高く、気配り上手
6.誠実で、責任感がある
7.想像力が豊かで、内的生活が充実している
今回はこの中でも多くのHSPさんの特徴である2つをピックアップします。

音やにおいなどの微細な違いも察知できる

HSPは五感に敏感です。

不快な音やにおい、視界に入ってくるものを気にします。

自分で選んでいない情報に、神経のバランスを崩すこともあります。

花火などの大きな音から隣人の生活音、

寒さや隙間風、人が密集する場所も苦手です。

HSPは物事を軽く受け止めるのが得意ではないので、環境を整えないと心に余裕がなくなって苦しむことになります。

共感力が高く、気配り上手

HSPは共感力が高く、他人に感情移入することができます。

相手の気持ちを察することができるので気が利きます。

サービス業や人をサポートする仕事をすると相手から感謝されることが多いのですが、1日中サポートをする仕事の場合、終業後はほとんど力が残っていないことがあります。

共感力が高いが故に人の気持ちを感じ取り、左右されてしまいます。

人と関わる仕事をする際には自分自身をいたわることが大切です。

表面的にはHSPには見えない人もいる

HSPの中には、一見するとHSPに見えない2タイプの方がいます。

タイプ分けをしていますが、自分がどのタイプかを選ぶ必要はありません。

選んでしまうと自らそのタイプの型にはまってしまい、自分が成長したり変わることが出来る事を忘れてしまいます。

タイプ分けは人間はそれぞれ異なる、と気付くものです。

外向的なHSP(HSE)

HSPの人の70%が内向的、30%が外向的と言われています。

外向的なHSPは大勢のグループでいる方が心地よいと感じます。

また、幼少期に内向的であることを認められない環境で育ったことが原因で、明るく活発なふるまいを求められ必要に迫られて外向的になった場合もあります。

HSPであると同時に外向的であるという事は、よりフラストレーションを感じます。

外向的なHSPは自分の限界以上に社交的であろうとします。

 

「内向的」という言葉は他人に興味がなく、自分の世界に閉じこもっていると印象でネガティブに受け入れられがちですが、ユングによると「物質的な世界よりも、内面世界に関心がある人」です。

自分自身の内面世界だけではなく、他の人の内面世界にも興味があります。

刺激を求めるHSP(HSS型HSP)

HSPの大半はスリルよりも安心を優先しますが、HSPの中には冒険心が旺盛で探求心がある人もいます。

退屈を感じて行動すると、そのせいで刺激を過度に受けてしまう人はこのタイプです。

どのようにしてバランスを取っていくかが課題となります。

刺激を求めるあまり、事後に自らを責める傾向にありますが、自分を責める必要はありません。

第2章 「敏感な人」が抱えやすい心の問題

HSPが抱えやすい心の問題が4つ挙げられています。

1.自分自身に高度な要求をしてしまう
2.罪悪感と羞恥心に苛まれてしまう
3.恐怖心を感じ、憂鬱になりやすい
4.怒りを上手く放出できない

繊細さ故に自尊心が低く、自分で自分に厳しくしている傾向にあります。

心の問題は個人差があるものの、多くのHSPが陥りやすい心の問題2点を取り上げます。

自分自身に高度な要求をしてしまう

まずは以下のチェック項目をご確認ください。

・自分の課したルールに縛られている
・自分はこうあるべきと高い基準を設けている
・自尊心が低いから優秀でいようとする
・頑張らないと好かれないと思い込んでいる

いくつ当てはまりましたか?

当てはまる数が多いほどHSPである可能性が高いです。

HSPは自分の行動にルールを作り、自分がどうあるべきかの基準を高く設定します。

自分自身がありたい姿を完璧にこなそうとして、そのギャップに隔たりを感じます。

 

完璧でいようとするのは自尊心の低さが原因です。

完璧でなくても好かれる、そのままで価値があると認識し、基準を少しずつ下げていきましょう。

怒りを上手く放出できない

HSPは怒りを好みません。

・共感力が強く、繊細なので、怒りのダメージを受けすぎる
・誠実なので、争いが苦手

HSPが怒りを感じると、自分の感情だけではなく、相手の気持ちも同時に理解します。

相手の気持ちを考えると罪悪感と羞恥心を抱き、怒りの感情にプラスされます。

怒りの感情を抑えつけ、立ち直るのに時間がかかる人もいるでしょう。

怒りを感じることは、自分の中で何かを乗り越えようと苦戦している時です。

怒りの感情を抱いたときは、自分を変えたいときだと理解すると受け入れやすくなります。

 

相手の怒りに関しては、共感力を活かして相手の怒りに寄り添う事が出来ます。

怒りをあらわにしている人を見ると、何かに困っているのではないか、傷ついてるのではないかと察します。

ただし、相手の怒りの感情が度を越していたら要注意。

深くかかわらず距離を置くことも学びましょう。

 

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第3章「鈍感な人たち」とうまく付き合うには

鈍感な人たちと付き合う方法が11点記載されています。

自分の気持ちの整理と相手に対しての行動について書かれています。

このでは2点に絞ってご紹介します。

自分の性格や限界を理解する

自分の限界を理解し、相手に言葉にして伝えましょう。

自分に出来る事は限られているという事実を受け入れ、断り上手になることが大切です。

  • 友人と会う約束をするときには、解散の時間を決める
  • 会議や打ち合わせは休憩時間と終了時間を決める

終わりの時間や休憩が取れる時間が事前に分かると、気持ちが楽になりますし、疲れやすい事を相手に伝えておくことで今後の付き合い方が変わってきます。

お互いに理解し合える関係づくりを心掛ける

HSPは刺激を受ける会話に巻き込まれがちです。

相手に耳を傾け、傾聴することができますが、相手の話を一方的に聞くだけにならないようにすることが大切です。

 

自分自身の言葉も相手に聴いてもらえるようになりましょう。

相手の話を受け止め、共感し、話しを広げることで聞いていることを示します。

最初は難しくても、練習を繰り返すことで出来るようになっていきます。

第4章 「敏感な自分」とうまく付き合うには

敏感な自分と上手く付き合っていく方法が8点記載されています。

自分の性格や特徴、周囲との付き合い方を学んだら、自分自身とも付き合っていきましょう。

特徴はひとりひとり異なりますが、共通して言えることを3点にまとめました。

HSPの能力を活かした生き方をする

敏感であることを楽しむ機会を作りましょう。

自分がHSPだと意識することで変化が生じます。

同じ悩みを抱えている人とも出会え共感する仲間が出来る場合もあります。

 

HSPは気質なので、治療で変える事はできません

これからもこまめな休憩が必要で、他の人よりも自分をいたわる必要があります。

過度な刺激に対する事前予防と対策をとる

刺激は内と外の両側から入ってきます。

HSPは五感の刺激に弱いです。事前予防を徹底しましょう。

外からの刺激は80%視覚から入ってきます。

大抵の事は目を閉じることでシャットアウトできます。

自分自身を大切に

周囲が自分の気持ちを分かってくれないと感じる時には、自分で自分を支えることが必要です。

自分に対して思いやりを持つのは良く思わない人がいるようですが、自分に対してこそ思いやりの気持ちを持ちましょう。

 

HSPであることに劣等感を感じることもありません。自分自身とHSPの特性を理解することでその気持ちは薄れてきます。

敏感で傷つきやすいだけではなく、必要とされる才能を備えています。

まとめ

各章のまとめは以下の通りです。

敏感な人(HSP)とは

  • 共感力が高く、気配り上手で相手の事を思いやることが出来る。
  • 誠実で責任感があり、自分の能力が発揮できる分野では最大限の力が発揮できる。

敏感な人(HSP)が抱えやすい心の問題

  • 自分自身に高度な要求を求めてしまい、自分で自分を苦しめてしまう。
  • 自分の及ばない事にまで罪悪感を抱く必要はない。
  • 怒りやストレスは受けやすいが、自分で背負い込まないこと。

鈍感な人たちと上手く付き合う方法

  • 自分の限界点を決めて相手に事前に伝えること。
  • 相手のペースに飲まれずに、対話を心掛けよう。
  • 「深い会話」と「表面的な会話」が使い分けられると付き合いが楽になる。

敏感な自分とうまく付きあうには

  • HSPの能力を活かした楽しみを見つける。
  • 五感の刺激には対応策を作ること。
  • それでも刺激を受けてしまったら、自分の内側に集中して自分を守ろう。

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私はこのように本書を理解し、認識しました。

ここにピックアップしたのは一部です。

HSPについて興味を持った方は、本書を手に取ってみてください。

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